【ヴィンテージ・レポート】晴れの日が多く、安定した気候が続いたヴィンテージです。降雨量も少なかったため、水不足の心配もありました。様々な要因が重なり、この地域の最高気温記録を塗りかえました。そして、この高温は長期間続きました。過去のデータと比較しても、1月から8月末までの積算温度が、2002年が1392℃であったのに対し、2003年は1740℃と顕著です。 1900年代の記録的高温を記録した年は1997年でしたが、積算温度は1400℃でした。ブドウの生育は、平均と比べ少し遅れて始まりました。萌芽は15日遅れましたが、暖かい気候によりその後の発達は早く、開花は5月末に始まり、ヴェレゾンは7月末に始まりました。雨量もとても少なく、8月末までの積算降水量は、265mmでした。2002年の積算降水量が830mmであったことと比べるとその少なさがわかります。好天により素晴らしく健康に育ったネッビオーロは、理想的な成熟をしました。
【味わい】熟成感のあるガーネット色。いちごジャムの包み込むような温かいアロマと粗いタンニンがこのヴィンテージの特殊な気候を思わせます。バルサムやチェリーの香りに続き、ミントやリコリス、またバラの花びらが香ります。しっかりとしたタンニンとフレッシュ感を伴い、力強く、心地良いバランスがとれた味わいです。ミネラルもしっかりと感じますが、余韻はデリケートで柔らかです。