Cultureカルチャー
2021年8月20日
バーチャルトリップ vol.3 シチリア東部
少し暗いニュースが続いてしまった今年の夏休みですが、皆さんに少しでも明るいニュースや情報をお届けできればと思っています。という事で、今回はバーチャルトリップ第三段「シチリア」を3週連続でお届けします!(←言い切って大丈夫?という声が・・・笑) 今回は、イオニア海を臨むシチリア島東部の旅へお連れしたいと思います!それではAndiamo!! (Let’s go! の意)
と、その前に・・・ まずは、シチリアの歴史をおさらい。
地中海沿岸の国々から支配をうけたシチリア。ギリシャからの移民に始まり、ローマ帝国の支配。中世にはアラブ人により当時の最先端の文明がもたらされました。その後ノルマン人、続いてスペイン、ハプスブルク家やブルボン家とコロコロと支配者が交代し、ナポレオン統治下では、イタリア本土がフランスの支配下に置かれる一方、シチリアはイギリスの保護下に置かれているなど常に侵略と支配に置かれるという波乱万丈な歴史をたどってきました。その後、ガリバルディによりイタリアに統合されましたが、このように激動の歴史を持つシチリアは、「文明の十字路」と呼ばれてきました。そのため、行く都市、行く都市で街の雰囲気がガラっと変わるところがシチリア旅行の醍醐味。そんなシチリアの主要都市と観光地をお届けします!
まずは、イタリア本土のつま先(カラブリア州 ヴィッラ・サン・ジョヴァンニ)からフェリーでほんの20分ほどで到着。その海の玄関口となっているのがメッシーナ。そこから南下すると、ジャルディーニ・ナクソスへ到着。現在では、シチリアでも屈指のリゾート地となったナクソスですが、ギリシャ人が最初に移民してきた土地と言われています。ギリシャ人がここに根を下ろした意味が何となく理解できます。青い海にゆったりと時間が流れるナクソスに2週間留まり、ビーチとホテルを往復するだけの生活・・・ 憧れます!
ジャルディーニ・ナクソスを足場に必ず足を運んでほしい遺跡が、紀元前にはギリシャやカルタゴにより占領された歴史を持ち、今では世界的な観光地ともなった「タオルミーナ」。街の中心にはウンベルト通りが伸びており、レストランやお土産屋さんが並ぶメインストリートとなっています。そのちょうど中間地点にあるのが市民の憩いの場でもある「4月9日広場」。ここの広場からは目の前には真っ青なイオニア海、右手にはエトナ山を臨む壮大な景色をお楽しみいただけます。
ここで見逃してはいけない遺跡が「ギリシャ劇場」。中心地から少し歩いたところにあるこのギリシャ劇場は、建設された詳細は不明であるものの、劇場から望むイオニア海とその先に見えるエトナ山のパノラマは最高の演目!夏になると、この古代劇場でオペラやバレエなども公演され、ホンモノの古代劇場の舞台と背後の海が最高の演出をしてくれます。機会があれば、ぜひオススメです。
タオルミーナ・プチ情報!タオルミーナから近いカステルモーラという小さな街に実にイタリア人らしい『ユニーク』なBARがあるとのこと。タオルミーナからカステルモーラ行きのバスも出ているようですので、ぜひ足を運んでみては?どんなBARか気になる方は、「BAR Turrisi」 で今すぐ検索!
次に目指すは、タオルミーナからエトナ山を右手に臨みながら車で小一時間。シチリア島第二の大都市カターニアへ。カターニアは、18世紀に建築されたバロック様式の建築物が多く残る都市です。カターニアでゴシック建築の代表作と言えば大聖堂とベッリーニ劇場。
この大聖堂は、17世紀にエトナ山の大噴火や地震の震災後、バロック様式で再建されました。堂内には、作曲家ベッリーニの墓碑やアラゴン王家の墓などがあり、また地下にはローマ時代の浴場跡も残っています。そして、この広場の真ん中にあるのが、象の泉。カターニアで活躍した建築家ヴァッカリーニによりつくられました。いまではカターニアの待ち合わせスポットにもなっています。さながら、東京駅の「銀の鈴」でしょうか(笑)
ベッリーニ劇場は、カターニアを代表する大作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニに捧げられた劇場で、1890年に完成。そのこけら落としには、ベッリーニの代表作「ノルマ」が講演されました。その「ノルマ」ですが、ノルマ風パスタの由来であることをご存じでしたか?カターニアを代表する大作曲家に敬意を表し、「このパスタは、ノルマだ!(完璧だ!)」と言ったことが始まりだそうです。
遺跡や建築巡りに少し疲れたら、コチラをおススメ!カターニアの台所ピスカリア。ピスカリアとは、カターニアの方言でペスケリア(魚屋)のこと。イタリアの魚屋は、迫力満点!カジキマグロや時には数十キロ級のマグロがそのままドドーンと置かれており、欲しい量を輪切りで買っていくのです。カジキマグロは、イタリア語でPesce Spada(剣の魚)。その名の通り長い剣を口先にもっているのですが、それがデーンと店先に鎮座している姿は圧巻。旅行中で買えなくても見る価値必見!イタリアの家庭を垣間見る感じがしますので、ぜひ足を運んでみてください。ちなみに、シチリアは柑橘が美味しい島。もし春先にご旅行された時は、ぜひ本番のブラッド・オレンジをお忘れなく!!バランスの取れた甘味と酸味。そして、これ以上にないジューシーなオレンジに一目ぼれしてしまうことでしょう!
今回最後にご紹介するのが、シラクーサ(イタリア語読みではシラクーザと濁ります)は、ローマ帝国に支配される以前に最も繁栄した都市で、数学者アルキメデスを生んだ街としても有名です。西地中海で最も繁栄したと言われているシラクーザは、紀元前5世紀には人口が40万人にもなっていたとも言われており、世界最古の石造りの神殿「アポロン神殿」や、古代世界最大級のギリシャ劇場など、ギリシャ時代の遺跡が多数残っています。今回は、おすすめスポットを2つほどご紹介します。
一つ目は、表向きはバロック建築のドゥオモ。しかし堂内に足を踏み入れると、そこはまるで厳かなアテナ神殿。このギャップは、ギリシャ人の繁栄した街ならではですね!
そして、もう一つは考古学公園にある石切り場。ロバの耳のような形の洞窟で、小さな音も洞窟内に響き渡ることからディオニュシオスの耳と呼ばれています。このディオニュシオスの名前、どこかで聞いたことありませんが? そう、文豪 太宰治の名作「走れメロス」に出てくる暴君の名前。走れメロスは、シラクーザが舞台になっており、ディオニュシオス2世の逸話がもとになっているそうです。
最後にシチリアを代表するストリートフード「アランチーノ」のご紹介。一言でいうとライスコロッケなのですが・・・カターニアでは男性名詞アランチーノと呼ばれており、エトナ山を思わせる三角の形。一方、永遠のライバル都市パレルモでは、女性名詞のアランチーナと呼ばれ楕円形。日本語でいう、「肉まん」と「豚まん」の呼び方の違いで小競り合いをしているというイメージでしょうか(笑)
さて、あなたはこのレシピ、どのような形で作りますか?作り方は、こちらから!↓↓↓
こちらのレシピに合わせるワインは、こちら!シチリアを代表するPLANETA社のセグレタビアンコ。ぜひ、お試しください!