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5世代に渡ってブドウ栽培・ワイン造りを行っているフェッルーガ一族。70年ほど前、4代目のリヴィオ・フェルーガがスロヴェニアからこの地フリウリにワイン造りの指導者として移り住み、50年代後半にロサッツォ近郊の土地28haを購入しました。戦後復興の時代に人々が田舎を捨て、新興の工場が立ち並ぶ近隣の街に移住していった時も彼はフリウリ丘陵地のブドウ畑のポテンシャルを信じ、コルモンズに留まりました。
明確なヴィジョンを持ったパイオニア
リヴィオは、ゼロの状態から畑を耕し、高品質ワインの醸造に注力をし、この地でワインの瓶詰めを始めた第一人者となりました。この地で、秀逸なワインが造られることがまだ知られていなかった当時、リヴィオは、「消費者に語りかけるラベル」を作成しました。それは、フリウリ丘陵地の地図のラベルで、ワインがどこで造られているかが一目瞭然でわかる、画期的なラベルでした。そして、このラベルは半世紀以上経った今でも変わらぬままです。
フリウリのテロワール
フリウリは、地中海気候の最北地に位置し、冬は穏やかで、夏は温暖なブドウ栽培にはとても恵まれた気候です。ロサッツォの台地は、海から30kmほどの距離にあり、北側のサンタ・カテリーナ山にも保護されています。また、夏の間、時折吹く北西の風 “BORA”(ボーラ)が雲や湿気を吹き飛ばし、冷涼で乾燥した気候を保ちます。
フリウリのワインを語る上で欠かせないのが、ポンカと呼ばれる土壌です。元々は海底だった始新世期時代の泥灰土と砂岩の層が、ロサッツォDOCGのすべての土壌を特徴づけています。
リヴィオの愛したロサッツォ修道院
ロサッツォの丘を見守るようにその頂上にロサッツォ修道院は佇んでいます。現在、この修道院を取り囲むブドウ畑とワイナリーはすべてリヴィオ・フェッルーガ社に託させています。1950年代にロサッツォ丘陵地帯でブドウ栽培を始めたばかりの時、リヴィオはこの修道院に一目惚れをしました。この地は彼のワインを造るのに理想的な土地だったからです。そこで、リヴィオは最初の区画を購入し、ブドウ栽培を始めました。リヴィオの献身的なワイン造りに心を打たれ、ナダルッティ修道士はこの地をリヴィオ委ねることにしましたが、1976年の地震とナダルッティ修道士の逝去により、リヴィオの夢はまた閉ざされてしまいました。そして、この土地の再開発が始まり、他のワイナリーの手に渡った時でも、リヴィオは希望を捨てませんでした。そして、2009年、ようやく彼の長年の夢が叶いました。現在、ロサッツォ修道院の保有するすべてのブドウ畑とワインセラーの管理はリヴィオ・フェッルーガ社が行っています。何事もあきらめないリヴィオの頑固なまでの情熱が実を結び、“アッバツィア・ディ・ロサッツォ”という素晴らしいワインも生まれました。
「フリウリのワイン造りの父」と呼ばれるリヴィオは、2016年12月に102年の生涯を閉じました。現在は、子供達のマウリツィオ、エルダ、アンドレアが、父の意志を引き継ぎ、ワイナリーを経営しています。現在の総面積は160ha(内ブドウ畑は155ha)に及んでいます。