Wine&Liquorブドウ品種辞典
Malvasia del Lazioマルヴァジーア・デル・ラツィオ
主な栽培地域
ラツィオ州
特徴
モスカート・ダレッサンドリアの子孫で、軽やかなアロマが特徴です。収穫量が少なく、フラスカーティのブレンド用品種としては、マルヴァジア・ビアンカ・ディ・カンディアの方がより多く使われています。しかし、現在では、より高品質なワインを生み出す品種として再評価されつつあります。
マルヴァジア・デル・ラツィオという名前は、ほとんどの栽培地がラツィオ州に集中していることに由来します。ブドウの実が熟すと斑点が見えることから、マルヴァジア・プンティナータ(プンティナータはイタリア語で斑点の意)とも呼ばれています。
代表的格付
ラツィオ州:フラスカーティDOC、カンネッリーノ・ディ・フラスカティDOCG、カステッリ・ロマーニDOC、コッリ・アルバーニDOC、マリーノDOC、コッリ・ランヴィーニDOC
アブルッツォ州:コッリーネ・ペスカレージIGP、テッレ・アクイラーネIGP
ウンブリア州:ウンブリアIGP
色・香り・味わい
辛口の単一品種ワインは、セージや熟した柑橘系果実の香りを備えています。味わいは、クリーミーなテクスチャーと蜜蝋や樹脂のニュアンスに恵まれています。
貴腐化した果実を含むことから、遅摘みやパッシートは、イタリア最高のワインのひとつと言われます。リッチでクリーミーでありながら、フレッシュな酸があり、熟した桃やトロピカルフルーツを思わせるアロマとフレーバーが特徴です。
スタイル
辛口のスティル白ワインが主流です(時折、甘口もあります)。ブレンドされることが多く、稀に単一品種ワインが造られます。
残念なことに、かつて安価なフラスカーティを大量に生産していた時代に、あまり品質の高くないトレッビアーノ・トスカーノやマルヴァジア・ビアンカ・ディ・カンディアとブレンドされることが多く、真価が発揮できていませんでした。
幸いなことに、マルヴァジア・デル・ラツィオがフラスカーティの品質を大幅に向上させる実力を持っていることが再認識され、近年徐々に人気が回復しつつあります。