Wine&Liquorブドウ品種辞典
Montepulcianoモンテプルチアーノ
主な栽培地域
マルケ州、アブルッツォ州、モリーゼ州、プーリア州、ラツィオ州
特徴
イタリアで4番目に多く栽培されているブドウ品種です。アブルッツォ州ではブドウ畑の50%を占めており、隣のマルケ州では最も重要な黒ブドウ品種として知られています。
モンテプルチアーノには数多くのクローン品種が存在しますが、どのクローンが最も優れているかに関しては意見は一致していません。かつてはR7が最も多く植えられていましたが、生産者の中には、ブドウが完全に熟していないとピラジン(香ばしさに寄与する香り成分)が強すぎるという考え方もあります。R100は高品質のブドウを得ることができますが、結実不良になる恐れがあります。
モンテプルチアーノ種と、サンジョヴェーゼをベースにしたトスカーナのDOCG「ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ」は関係がありません。一方で、モンテプルチアーノは20世紀初頭までサンジョヴェーゼと間違われていた歴史があります。また、トスカーナのプニテッロと見た目が似ていることから、同じブドウだと長い間考えられていましたが、この2つはお互いにバイオタイプですらありません。
代表的格付
アブルッツォ州:モンテプルチアーノ・ダブルッツォDOC、チェラズオーロ・ダブルッツォDOC、コントログエッラDOC、コッリーネ・テラマーネ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォDOCG
マルケ州: ロッソ・ピチェーノDOC、オッフィーダ・ロッソDOCG、ロッソ・コーネロDOC、コーネロDOCG
モリーゼ州:ビフェルノ・ロッソDOC(ブレンド)
ラツィオ州:カステッリ・ロマーニDOC
プーリア州:カステル・デル・モンテDOC
トスカーナ州やウンブリア州でも栽培されています。
色・香り・味わい
モンテプルチアーノはアントシアニンを豊富に含み、深いルビー色または紫色のワインにが生産されます。還元的な品種(reductive grape)で、ゆえに還元のニュアンスがよく現れます。熟したレッドチェリー、プラム、デリケートなハーブの風味が特徴です。
親しみやすく飲みやすい、フードフレンドリーなワインを生み出します。早飲みワインに適しています。
スタイル
多用なワインが造られます。赤ワインだけでもスパークリング、辛口、陰干しブドウを使用した甘口が存在します。ロゼワインは淡いピンク色から薄いルビー色で、チェラズオーロと表示されているものは、よりふくよかで肉付きがよく、タンニンが強く、複雑で、残糖を残すこともまれにあります。
辛口の赤ワインが多く生産され、安価で陽気、軽やかで気楽なものから、重厚でリッチ、肉厚でフルーティーでソフトなタンニンを持つものまで様々な種類が楽しめます。最近ではオーク樽が使用されることもあります。
主な日欧商事取り扱いアイテム
●ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ・ヴィーニャ・モンテプランドーネ