Wine&Liquorブドウ品種辞典
Nebbioloネッビオーロ
主な栽培地域
ピエモンテ州、ロンバルディア州、ヴァッレ・ダオスタ州
特徴
イタリアで最も高貴で重要なブドウ品種のひとつです。名前の由来は、ブドウ畑に霧が出る時期に収穫することから、ラテン語の「ネッビア Nebbia(霧)」に由来するという説が有力です。また、ブドウが大量に開花する様子が霧を連想させることに由来するという説もあります。
ネッビオーロ種には「ネッビオーロ・ランピア」と「ネッビオーロ・ロゼ」の2つのタイプがあります。ネッビオーロはクローン品種が多いことで知られており、記録されている30のクローンのうち、重要なものはネッビオーロ・ボッラ(収量が多く比較的カジュアルなワインになる)、ネッビオーロ・ランピア(最も信頼性が高い)、ネッビオーロ・ミケ(ランピアのウイルス感染型で、生産量は少ないが品質のよい実が収穫ができる)で、これらはすべてネッビオーロ・ランピアの遺伝子型に由来しています。
ヴァッレ・ダオスタ州のピコテネル(フランス語)/ピコテンドロ(イタリア語)のバイオタイプに由来するクローンCVT308は、房が小さく、実の色が濃いです。本来の栽培地域であるピエモンテ北西部とヴァッレ・ダオスタ州以外の場所に植えると、非常に色が濃く、アロマが控えめなワインになります。
ネッビオーロの別名としては、スパンナ(ピエモンテ州のノヴァーラとヴェルチェッリ周辺)、ピコテネル(ヴァッレ・ダオスタ州)、キアヴェンナスカ (ロンバルディア州)がよく知られています。
ネッビオーロ・ロゼはネッビオーロとは別品種ですが、遺伝子上の親子関係または兄弟関係にあるとされています。
ネッビオーロ・ディ・ドロネーロは、シャトゥスという名前で知られる別の品種です。ネグレーラ、ヴェスポリーナ、フレイザはすべてネッビオーロを近縁に持つといわれるブドウです。サルデーニャのネッビオーロは、実際にはドルチェットが主体となっています(サルデーニャのネッビオーロを試すには、コッリ・デル・リンバーラIGPのワインを探してみてください)。
代表的格付
ピエモンテ州 (ランゲ):バローロDOCG、バルバレスコDOCG、ロエロDOCG、ランゲDOC
ピエモンテ州(北部):ガッティナーラDOCG、ゲンメDOCG、レッソーナDOC、ボカDOC、ファラDOC、カレマDOC
ロンバルディア州:ロッソ・ディ・ヴァルテッリーナDOC、ヴァルテッリーナ・スペリオーレDOCG、スフルサート・ディ・ヴァルテッリーナDOCG
ヴァッレ・ダオスタ州: ヴァッレ・ダオスタ・ドナスDOC
色・香り・味わい
繊細なアントシアニンであるピオニンとシアニンが多いため、若いうちはガーネット色を帯びていても色の濃さは中程度です。
ネッビオーロというと、攻撃的なタンニンを持つ強靭なワインというイメージもありますが、質の高いものは、赤いバラやフレッシュなレッドチェリー、甘いスパイスの香りが漂う非常に洗練された味わいのワインです。熟成させるとタールの香りが出てきます。タンニンと酸が豊富で、熟成に適しています。
スタイル
ほとんどが辛口スティルの赤ワインとなります。単一品種ワインとブレンドワイン、両方が存在します。
ピエモンテ北部とロンバルディア州では、伝統的にクロアティーナ、ピニョーラ、ヴェスポリーナ、ブルニョーラ、ウーヴァ・ラーラなどとブレンドされます。
豊富な酸も持つネッビオーロは、スパークリングワインの醸造にも使用される機会が増え、高い評価を得ています。
主な日欧商事取り扱いアイテム